育毛剤の種類・成分
育毛剤は作用や成分で分類すると、以下のように分けることができます。
育毛剤は通常、これらの成分を複数組み合わせることによって相乗効果を発揮します。
・頭皮の血行促進
頭皮の毛細血管を拡張することで血流量を増やす成分です。
毛乳頭への栄養補給を良くして、育毛を促進します。
代表的な成分は、ミノキシジルやセンブリエキス、ニンジンエキスなどです。
・男性ホルモン抑制
男性ホルモンが男性型脱毛症(AGA)を引き起こす仕組みは、男性ホルモンのテストステロンが、5αリダクターゼという変換酵素の働きで、デヒドロテストステロンというホルモンに変換され、それが毛乳頭に働きかけ、毛母細胞を萎縮させ、脱毛が促進されるのです。
そこで、脱毛の原因となる変換酵素5α-リダクターゼを抑制する成分が配合されています。
代表的な成分は、フィナステリドやノコギリヤシなどです。
・毛母細胞活性化
毛母細胞とは、毛根において毛髪を生成している細胞で、毛母細胞が増殖・分裂を繰り返すことによって、毛髪が生えてきます。
しかし、栄養不足などによって毛母細胞に十分な栄養が回らなくなると、活動が衰え、十分な発毛が望めなくなります。
このような栄養不足の毛母細胞に、栄養分を補給することで、毛母細胞の働きを活性化させます。
代表的な成分は、ペンタデカン酸グリセリドやビチオンなどです。
・皮脂分泌抑制
過剰な皮脂の分泌が、フケやかゆみを頭皮に引き起こし、また毛穴を詰まらせて脱毛の原因になります。
皮脂を抑制することで、脱毛を防ぎ、本来の自然な育毛を促すことができます。
代表的な成分は、カシュウやイオウなどです。
・頭皮の保湿
頭皮が乾燥していたり、乾燥による炎症を起こしていたりすると、頭皮が固くなり、毛根がダメージを受けやすい状況になるので、抜け毛が増えてきます。
健康な頭皮環境を作るには、保湿が重要で、抜け毛予防、育毛をトータルで考える上で必要な成分です。
代表的な成分は、柑橘類エキス、海藻エキス、イチョウエキスなどです。
・頭皮の炎症抑制
頭皮に炎症があり不健康な状態だと育毛効果が期待できないため、頭皮の炎症を抑える成分が配合されています。
代表的な成分は、グリチルリチン酸ジカリウムやグリチルレチン酸などです。
・頭皮の殺菌
過剰な皮脂や汚れが毛穴に詰まった状態では、細菌が繁殖し、頭皮の状態をさらに悪化させているので、育毛効果が期待できません。
このため、育毛剤には殺菌作用のある成分が配合されています。
代表的な成分は、ヒノキチオールやイソプロピルフェノールなどです。